意外と簡単? 無人チェックイン導入のメリットとデメリットとは。

新型コロナウイルスの影響が落ち着き、旅行をする人の数が増えてきました。そのため、ホテルなどの宿泊業の活気も戻ってきています。しかし、新型コロナ以降に見られる宿泊業の大きな変化として、無人チェックインを取り入れるところが増えていることが挙げられます。

無人チェックインの導入はホテル側にとってメリットはありますが、その一方で使い方を誤るとホテルの安全を脅かすことにもなりかねないので、注意が必要な部分ではあります。

今回の記事では、無人チェックインについて考察します。

目次

無人チェックインとはどのようなシステムか 

まず、無人チェックインとはフロントに人員を配置せず、受付端末やタブレットなどを宿泊者自身が操作して、チェックインを行うシステムです。

新型コロナウイルスの流行により、対面での会話に不安を持つ旅行者や宿泊業者も増えてきたことなどから、近年この無人チェックインシステムを導入する宿泊施設が増えています。また、日本で導入されている代表的な無人チェックインシステムは、以下のようなものがあります。 

Mujiin

その名も「むじん」という名前のチェックインシステムです。

宿泊者がタブレットを操作し、パスポートなどIDによる本人確認や、入室のための暗証番号などを手に入れるシステムになっています。また、コンビニのファミリーマートと連携しており、ファミリーマートを通じて現金で宿泊代金を払うことができるようにもなっています。 

AirHost

16000以上の宿泊施設で取り入れられており、導入コストも比較的お手軽な無人チェックインシステム。

宿泊者は自分のスマートフォンを通じて、チェックインをすることになります。チェックイン後も延泊の希望や滞在中のサービスも自分のスマホからオーダーできるシステムも備えています。 

FlexIN 

1室あたり月額1500円からというお手軽価格が嬉しいこちらの無人チェックインシステムは、宿泊者のスマホを通じてチェックインをするシステムです。

ビデオ通話機能で本人確認もスムーズに行うことができます。無人チェックインのシステムに関心はあるものの、どのシステムを利用すると良いのかわからない宿泊施設に、おすすめのシステムではないでしょうか。

TOMARO+

宿泊者のスマートフォンでチェックインするタイプの無人チェックインサービスです。施設側は特に新しいタブレットやパソコンなどを導入する必要がないので、設置コストも比較的安価です。

宿泊者の本人確認は、各自のスマートフォンのビデオ会話機能を活用することになるので、宿泊者側はどこにいてもチェックインできる。便利なシステムです。

無人チェックインのメリットとは

無人チェックインを導入する、宿泊施設側の主要なメリットとしては、以下の2つを挙げることができるでしょう。

人件費が削減可能

まず、フロントに従業員を置く必要がないので、人件費を削減することができます。事件費の削減がコストの削減にも結びつき、宿泊施設側の利益も大きくなることでしょう。

また、宿泊施設のフロントで働く人は夜勤がつきものですが、昼夜逆転の生活を送ることになり、体にとってはかなりきついものです。しかし、無人チェックインを導入すると夜勤の必要もなくなるので、働く人も体が楽になり、健康管理もしやすくなることでしょう。 

言葉の問題が解決しやすい

 無人チェックインでは、専用のソフトウエアを使い宿泊者と連絡を取ることがほとんどです。この種のソフトウエアは数カ国語に対応しているものがほとんどで、日本語の他に英語・中国語・韓国語等で対応できるようになっています。そのため、宿泊施設側の人が外国語に堪能でなくても、チェックイン時の必要事項を外国語で対応することもできますし、宿泊者からの要望や疑問点を外国語で解決することもできます。

無人チェックインはタブレットや受付端末で行うものです。例えばあまり英語が堪能ではない宿泊者であも、自分のスマホの翻訳機能などを活用してタブレット上に現れた英文を理解できるというメリットもあります。 

無人チェックインのデメリットとは

効率性あるいは利益の面で、良い効果が大きいと見られる無人チェックインですが、デメリットも存在します。

無人チェックインの代表的なデメリットは次の2点ではないでしょうか。

鍵の受け渡しがしにくい

まず最初に、物理的に鍵の受け渡しが難しくなるという問題があります。対面のレセプションであれば、チェックインで宿泊者の確認をしたあとに鍵を手渡すことができますが、無人チェックインでは、鍵を手渡すことができません。

この問題を解決するための方法としては、暗証番号のついたキーケースを導入し、チェックインを終えた宿泊者だけがこのキーケースを開けるための暗証番号を入手できるようにする、という方法があります。宿泊施設側は無人チェックインの導入とともにキーケースも購入する必要がありますが、比較的安価なコストで済む解決法です。

緊急事態に対応しにくい

無人チェックインのもう一つのデメリットは、宿泊施設で起こる緊急事態に対処しにくいということです。

部屋の鍵を忘れて外に出たり、宿泊施設の備品を壊したりといった、トラブルを起こす宿泊者というのは、意外と多いもの。無人チェックインを導入すると、こうしたトラブルに対応するのに時間がかかる可能性があります。

しかし、無人チェックインを開発・販売している各企業はこうした緊急事態にも対応できるシステムを作っており、状況によっては直接警察に通報することもできるので、宿泊施設側はもちろん、宿泊客も安心できるようにもなっています。

セルフチェックインの利用

無人チェックインの一つの方法として、セルフチェックインというシステムを利用する方法もあります。前述の AirHostや FlexIN のシステムが、このセルフチェックインに当たります。宿泊者が自身のスマホなどから宿泊先のWEBサイトやリンクを通して、宿泊者自身が必要事項を記入し、チェックインする方式です。

また、このセルフチェックインを導入している多くの宿泊施設では、宿泊者に手渡す部屋のキーは従来のものではなく、暗証番号方式のスマートキーを導入していることが多いのも特徴です。

無人チェックインの導入時に、一気にセルフチェックインまで導入してしまうのも、一つの方法です。

無人チェックインのメリットをフルに活用

無人チェックインを取り入れたり、セルフチェックイン方式に変えることで、人件費削減などのメリットが生まれます。働いている人の負担も減るので、宿泊施設側も取り入れやすいかもしれません。無人チェックインのメリットをフルに活用することで、多くの宿泊者を呼び込む新たな方法になるかもしれません。

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