安全なグランピング施設運営に向けて-食品やアクティビティの安全管理-

グランピング施設の運営には、ゲストの安全が最優先です。その中でも、特に醍醐味であるBBQを楽しく、かつ安全に提供するためには、開業前からの十分な準備が必要となります。

では、具体的にどのような手続きや取り組みが必要なのでしょうか。

今回は、グランピング施設運営における食品やアウトドアアクティビティの安全・健康管理に関する情報、手続きについて詳しくご紹介します。

目次

グランピング施設運営に必要な食事に関わる手続きとは?

グランピングでは、BBQを始め食事やアルコールなどを提供します。

食材や料理を提供する場合は、許可を取得したり、届出が必要です。

こちらでは、グランピング施設の運営において、食事に関する必要な手続きについてご紹介します。

①飲食店業の許可

飲食店を営業する際に必要となる手続きですが、提供するサービスによってグランピング施設も該当します。

料理を提供する施設はもちろん、BBQの食材を提供するだけでも飲食店業の許可が必要です。

ただし、食材はゲストによる持ち込みで、BBQの場所を提供するという場合は、不要となります。

万が一、手続きが必要な施設であるにも関わらず、無許可で営業を行うと法律違反となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられます。

さらに、罰則を受けると営業を停止するだけでなく、2年間営業許可の取得ができなくなるというペナルティも覚えておきましょう。

②酒類販売業許可

酒類を販売するグランピング施設であれば、酒類販売業許可が必要となります。

アルコール類を紙コップなどに注いで提供する場合は不要です。しかし、ビンや缶のアルコール類を販売する場合は、手続きを行う必要があります。

24時以降にアルコールを提供する場合は、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。

③防火対象物使用開始届

BBQの食材や料理を提供するにあたって、防火対象物使用開始届の提出も必要です。

BBQでは、火を使用する設備があるため消防署への届出を提出しなければなりません。

ただし、ゲストが火を起こして調理する場合は届出が不要です。

消防署への届出が必要となる火災器具は、移動式コンロや卓上型コンロ、BBQコンロなどです。

安全なグランピング施設運営に必要となる資格や検査

BBQの食材を提供するだけでもいくつかの手続きが必要となるグランピング。

それらの許可申請には、施設で働く人が取得すべき資格や実施すべき検査があります。

こちらでは、グランピング施設を運営するにあたり、必要となる資格や検査についてご紹介します。

①食品衛生責任者

飲食店業の許可を申請するにあたり、各施設に食品衛生責任者を設ける必要があります。

各施設ごとに1名以上の配置が義務付けられています。国家資格で、設備の衛生確認やスタッフの健康管理、食材の保管や加熱方法のチェックなどを担当します。

万が一、食品衛生責任者が退職したり、配置していない場合は、営業停止などの行政処分が下されます。

②防火管理者

食材や料理を提供する施設において、スタッフを含めた収容人数が30名以上となる場合は、防火管理者を設置する必要があります。

消火・避難訓練の実施や消防用の設備の点検などを行います。

万が一、防火管理者が必要な施設で人材が選任されていない場合、消防法に基づいてペナルティが科せられます。

③水質検査の実施

飲食店業の許可申請を行う場合、水質検査の実施も必要です。

水質や細菌の有無を調査し、使用目的の基準を満たしているか判定を行う検査です。

定期的に実施しなければならず、怠ると食中毒などに繋がりかねません。また、検査を行った際には、記録を作成し5年間の保管が必要です。

ゲストに喜ばれる安心安全なグランピング施設の取り組み

グランピング事業を展開するにあたり、ゲストの安全を守る取り組みが必要となります。

こちらでは、より安心安全なグランピング施設を運営するために必要となる取り組みについてご紹介します。

①3密対策

新型コロナウイルスの流行の影響で、3密を避けた旅行やレジャーが好まれるようになっています。

最近は、行動が緩和されつつありますが、まだ心配だという方も多いです。そのため、他のゲストとの距離を考慮した施設づくり、感染リスクの低い空間づくりが求められるでしょう。

例えば、客室数を少なく設けたり、他の客室との距離を十分に取ったりする方法が挙げられます。

プライベート空間を保たれるため、ストレスなく過ごすことができます。

②衛生管理

より安全な空間を提供するために、衛生管理も徹底しましょう。

清掃やアルコール消毒、換気など細かい部分まで配慮することで、清潔な施設が保たれます。

アウトドアの施設であるため、衛生管理を怠るとすぐに汚れが目立ってしまいます。口コミでもすぐに広まりますので、清潔な施設づくりを心がけることが重要です。

③緊急時に備えた設備

ゲストが体調不良になった場合など、緊急時に備えておくことも大切です。

万が一のときに、すぐにスタッフが駆けつけられるような体制、緊急時に対応できる訓練や講習などを実施しておくと良いでしょう。また、ホームページやフロントなどに緊急時の案内を掲示しておくこともおすすめです。

ゲストが安心して過ごせるような案内を提供するようにしましょう。

ゲストの安全を守り、心から安らげる空間づくりを!

BBQや料理を提供するグランピング施設では、飲食店業の許可や酒類販売業許可などの申請が必要です。また、これに伴う資格や検査も忘れてはなりません。

ゲストの安全を守る取り組みを徹底することで、心から安らげる空間を提供できます。

必要な手続きを怠ると、ペナルティを科せられてしまうので、必ず事業開始前に確認しておきましょう。

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